あめの日のハル

意思と存在、あとはただのデータ

+Jとわたし

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去る11月13日、ユニクロとデザイナーのジル・サンダー氏がコラボした+J(プラスジェイ)の商品を購入しました。ファッションに関する有益な話などはない、ただの主婦の日記です。

コラボ発表 求めているのは、丈夫で、長持ちする服

わたしが+Jに惹かれたきっかけは、ジル・サンダー氏へのインタビュー記事を読んだことでした。彼女がデザイナーを志したきっかけや、現在のライフスタイルなどが21の質問にまとめられていて、とても興味深かったです。最後の質問はより良い未来のために、洋服があるべき姿とは何だと思いますか?」というもの。彼女は「丈夫で、長持ちすることが重要です。そして、着る人の支えになれること」と語っていました。

そう! そうなんですよジル・サンダーさん! 「丈夫で、長持ち」、それがわたしのほしい服なんです! と激しく共感しました。数回洗濯しただけで裾がほつれたり、ワンシーズンでくたびれたりする服にはうんざりしています。背伸びして買ったブランドのよそゆきほどすぐダメになるのです(マーフィーの法則?)。ユニクロの服は丈夫で長持ちするものが多いので、きっとすごいコラボになるぞ、とワクワクしました。以前の+Jやジル・サンダー氏のデザインしたものを見ると、シンプルでおしゃれな服が多かったこともあり、まだ夏の時期から毎日のように公式アプリを立ち上げて追加情報を待っていました。

全ラインナップ発表〜発売日まで 自分軸をぶらさずに買い物ができるか?

全ラインナップが発表された日から、何を買うか悩む日が始まりました。実店舗では「一商品各色一点まで」、オンラインでは「一商品一点まで」の購入制限あり。当初はオンラインのみでの購入を考えていたので、カーディガンのブルーとブラックで迷った末、ブラックを選びました。ポケットの差し色がブラウンで可愛かったのと、ジルサンダーの服はブラックが象徴のようだったので、一つはほしいなと思っていたためです。

他に購入希望だったものは、白いシャツ2種とネイビーのシャツワンピース。どちらも綿100%素材で洗濯機で洗えます。外に干しても色あせず、躊躇なく漂白できるので白が好きです。ワンピースも白があったらなお嬉しかったと思います。

他にもほしいものはたくさんありましたが、前述の「洗濯機で洗える」という条件に合わないため除外しました。シルクのボウタイブラウスは上品で惹かれましたし、ダブルフェイススカートもなかなかないシルエットでいいなあと思いました。ですがどちらもドライクリーニング推奨……それぞれのデザインにあった素材を使っているのでしょうが、素肌に触れるアイテムが気軽に家で洗えないのは困ってしまいます(クリーニング代が高く感じるたちです)。頻繁に洗わないアウター類はドライクリーニング推奨でもいいと思っているのですが、今年は以前買ったものを使うと決めていたので検討しませんでした。流行に乗りたい限定モノに弱い人間が無駄遣いをしないためには、あらかじめルールを決めてそれを守ることが大事だと思っています。

直前になって夫(服は試着して買う派)が「俺も+Jほしいな」と言い出し、休みを合わせて実店舗に買いに行くことになりました。そのためカーディガン二色買いもできたのですが、経験上カーディガンは形の違うものを二着持つのがベストだと思ったのでブラックしか買いませんでした。

発売初日 何ごとも準備が肝心

ほしい服は発売日前日までにお気に入り登録をしていました。衝動買いと買い忘れ防止のためにしたことでしたが、発売日にはアクセスが殺到して商品ページにはエラーで繋がらず、かろうじてお気に入り登録からカートに追加することができたのでやっておいてよかったです。それでも支払手続きで弾かれてしまい、何度もトライしているうちにシャツワンピースは売り切れていました。1時間は格闘していたでしょうか。実店舗の列に並びながらだったので回線が不安定だったのも影響したと思います。

実店舗はオープン直前に着いたらすでに長蛇の列になっていて、売り場に通されるまで2時間以上待ちました。ここでもシャツワンピースは人気だったようで、ネイビーのMサイズは品薄になっていました。ニット類はそこそこ残っていた印象があります。狭いスペースに商品がたくさん並んでいるのでお目当の品をなかなか見つけられず、夫は売り場を右往左往……間違えてレディースを買いそうになっていました。試着室に入るのにも並ばなければならず、結局試着は諦めて売り場に置いてある鏡の前で体に当てて合わせるだけで買うことに。

わたしは前もって目をつけていたアイテムしか買わなかったので、回線の安定した場所でオンライン購入でもよかったかなと思っています。対照的に、夫は実物を見ることで「別の色を買おうと思っていたけれどこの色が気に入った」「思っていたより質感がいいからこれも買う」と有意義な買い物ができたようです。帰宅後はサイズ確認も兼ねて仲良くファッションショーをして楽しみました。ファッションのことはわからないので詳しい解説は他の方にお任せしますが、やっぱり新しい服は嬉しいですね。お揃いのカーディガンで出かけるのが楽しみです。

発売後 ネット上の様々な意見について思うこと

+Jが大人気すぎて店外は長蛇の列、店内が大混雑している様子がネットにたくさん上がってしまい(特に名古屋の店舗は入店制限などがなくて大混乱だったようです)、「安いジルサンダーじゃなく高いユニクロ」「+Jに10万払うなら本物を買え」と苦言を呈す方もたくさんいたのですが、わたしには的外れな意見としか思えませんでした。

わたしは大のユニクロファンです。ワードローブの9割はユニクロです。貧乏だったので服にかけるお金を極力節約したくて、でも極端なプチプラブランドは明らかに安っぽかったりすぐに着られなくなったりして、ユニクロコスパの素晴らしさに虜になってしまったんです。大好きなユニクロが連れてきたデザイナーだから気になったし、数あるコラボの中でも「目玉」扱いしているから期待したのです。今のジルサンダー(ブランド)とデザイナーのジル・サンダー氏は別物ですから、氏の理念に共感した人にとっても当てはまらない批判でしょう。

列に並んでいる人たちを写真に撮って「+J着ても似合わなそうな人ばかり並んでいる」と揶揄する人には怒りすら湧きます……。別に+Jを高いユニクロだと思うのもスタイル抜群の人じゃないと似合わないと思うのも自由ですが、それをあくまで「個人の意見」として語らず「世間一般の総意」として語るのは、傲慢ではないかと思います。まして、「+Jに大金なんて払うな」「似合わないくせに列に並ぶな」などと命令するのは、他人の領域に土足で踏み込む恥ずべき行為だと考えます。

ネットの過激な意見が一定の支持を得たのは、新型コロナウイルス感染症の影響で三密を回避すべきという風潮が浸透し、従来の「行列や混雑は人気の証」という感覚が受け入れられなくなったというのが大きいでしょう。その点はユニクロの落ち度だと感じます。多くの店舗で入店制限や整理券配布が行われたようですが、行列は回避できず、オンラインショップはサーバーダウンしました。転売目的での購入お断りとしながら、メルカリには商品があふれています。

長い行列に並ばなくとも大混乱の売り場に飛び込まずともお目当ての服が買えるなら、その方が(転売目的でない)購入希望者にとっては嬉しいはずです。試着したい、実物を見たいという意見もあるでしょうが、ユニクロが受注生産や抽選販売など密にならない方式を採用してくれていれば「+J買ってる人ダサい」という中傷から顧客を守れたのではないかと思います。

余談 +Jに関するファッションど素人の見解

スカート一種類のみって少なすぎませんか?